2018.04.17
3Dプリンターで水が漏れない容器を作る方法(ジクロロメタン/二塩化メチレンを使う方法)【2025.11.26更新】

以下↓の続きです。
3Dプリンター×PLAフィラメントで好みの栽培容器を作ったのですが、水深が10cmを超えるような構造だとInfill=100%(壁の中を密な状態)にしても、どうしても水漏れが起こってしまいました。
↓わずかですが水が染み出しています。

水の染み出し方からみて、水が漏れるルートは本当に全体の一部の微小な隙間と思います。3Dプリンターの出力温度を上げたり、ゆっくり出力するなどすると解決するかもしれませんが、この容器は大量生産したいのでなるべく早く出力出来るのがベストです。
穴を防ぐ方法として、
(1)穴をふさぐものを流し込む
(2)容器を軽く溶かして穴をふさぐ
の2種類があると思います。(1)のためには色々と「クリア塗料」と一般的に呼ばれている塗料が安価に売られていて使えそうです。しかし、どれもこれも、有機溶媒が何か、樹脂が何か書かれていません。
これとか↓
なんでこういうのって有機溶媒の種類がきちんと書いてないんでしょう?
3Dプリンターで出力しているPLA樹脂を溶かす有機溶媒は非常に限られています。おそらく一般的な「クリア塗料」に含まれているような有機溶媒はPLAを溶かせないと思う。そのため、表面に別の樹脂の膜を作ることで防水化を実現してくれそう。目的は達するけど、なんかエレガントじゃないなぁと思い。今回は(2)の穴をふさぐの方を試してみることにしました。
使ったのはジクロロエタン(二塩化メチレン)って有機溶媒
↓無色透明のサラサラ液体です。めちゃくちゃ蒸発します。体に悪そうな匂いがします。

↓3DプリンターのPLAフィラメントの破片を放り込んで数時間放置すると

↓綺麗に溶けます。

↓大量に溶かすととろ〜りと粘性が出ます。

実験の結果、あらかじめPLA樹脂を溶かしたジクロロメタンを容器に塗ったりしなくても、何も溶けていないジクロロメタンに容器を浸して(今回の場合は容器の中にジクロロメタンを注いで、すぐに回収してもOK)放置してジクロロメタンを蒸発させれば、容器の壁の中に染み込んだジクロロメタンが細かい穴を塞いで再度かたまり、水漏れの無い容器となることが分かりました。
この方法の問題は「ジクロロメタン」がちといわくつきの有機溶媒ってこと、ジクロロメタンは炭素1個のメタンに塩素が2つ入った単純構造で↓

ジクロロメタン - Wikipedia 1 users
購入するには「アクリルサンデー、アクリル接着剤」として、30mL、700円ほどで売ってますが高すぎ。
500mLが1240円+送料で買えます。↓
色々調べると、発がん性も明確には断定されていないし、癌になった人はとんでもない濃度の職場で長年働いていた人。普通の油性塗料の有機溶媒臭で「くっさー」って言っているのだって十分、体によくない行為で、吸わない方が良い有機溶媒吸っていると思うので、ジクロロメタンも趣味でたまに使う程度なら問題無いと判断して使ってます。まあクロロは怖いけどねえ。でも、自宅に保管するなら、燃えない方がずっと重要だと思うぞ。
ジクロロメタンの他の用途
ジクロロメタンは他にも色々な使用方法が出来ます。
様々なプラスチックを溶かし込みDIYパテを作って使う
アクリル板の溶着に使う
漂着したプラゴミで色々と作れるはず。
Category:植物栽培・自宅で大規模水耕栽培
コメント
いいっすね!=1
001 [04.17 14:41]Sweet'★1@NetHine:塗料や接着剤を扱ってるお店で500ml900円くらいで買ってました。蒸気吸入して良い事なんて何一つないので(普通に気分悪くなります)換気と防毒マスクくらいはしときましょう。 ↑(1)
002 [04.19 21:42]ななしさそ★44:まだ規制されていませんし(四塩化炭素なんて今やほぼ入手不可能…)500mlの1級試薬で入手したらどうです? 出入りの業者に言ったら対応してくれますよ。値段も圧倒的に安いし。因みに人間への毒性は発がんなんかより神経にヤバいと思うんですが。私はクロロホルムを1年に1斗缶10個とか大学時代使っていましたがまぁ無事ですw ↑
→カテゴリー:植物栽培・自宅で大規模水耕栽培(記事数:105)
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