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2020.01.23
マイタケのタンパク分解酵素は高温耐性で凄いけど低温調理機での鶏ハム作りには向いてないみたい
年始にマイタケを使って肉を柔らかくするライフハックが噂になってました。
へ〜と思って調べてみるとTwitterでバズりまくった「まいたけがお肉をトロトロに柔らかくする」ネタ!その秘密はお肉のタンパク質を分解する酵素“プロテアーゼ”にあり 安い輸入肉を神戸牛並みに柔らかくする方法が話題に | 秒刊SUNDAY 1 users
との研究が!!!!これは定期的に低温調理機で作っている鶏ハム作りに応用したら、もっとフワフワのハムになるんじゃね?と思いやってみました。35℃で最もプロテアーゼ活性が高かったのはヒラタケ、しかし50-60℃ではマイタケのほうが活性が高くなり、熱安定性をみるとヒラタケのプロテアーゼ活性が70℃1時間の保温で失活するのに対し、マイタケは70℃8時間でも活性が残存していた。
↓鶏のムネ肉を買ってきて脂をはがします。脂は別に冷凍しておいて炒め物に使うとウマウマ、ジャガイモを炒め揚げする時に使うのが最近好き。塩分濃度は塩分濃度は好みもありますがいつも通りの重量の1.2%です。肉1枚あたり3-4gとか。
↓0.2%も違えばかなり味が変わってきますので厳密にやるのをオススメです。
今時なら0.1g単位で測れるやつが1400円で買えます。
↓ここにマイタケを投入、含まれるタンパク質分解酵素を出させるため細切れにすると効率的かもしれませんが、ハムとして使うとなると取り除くのが面倒だし、マイタケも食べれるはずだし塩も入っているので押しつぶせば勝手に抽出されるだろうとのことで切らずに入れてます。
↓ジップロックを封をして空気を追い出してモミモミ、胸をもむのは自信がある。塩の量を厳密にしたいので表面にまんべんなく塗るとかせず、袋の中に測った量をサラサラ入れて、袋に入れてから手でもみ中で均一になるようにします。ちなみにジップロックでは無いですね。愛用しているのはダイソーで15袋100円の袋です。
↓いつものレシピに従って4時間ほど冷蔵庫に放置、塩を内部に浸透させます。4時間のうち1時間ごとにもみもみしたり上下反転したりします。完全放置では塩分が偏ります。1回以上はモミモミ&上下反転した方が良い。
写真は4時間経過後です。3袋がマイタケあり、1袋がマイタケ無しですが、何かマイタケを入れた方の肉から大量の水が出ているのが分かります。すでに差が。
↓市販品を買う金の無い貧乏人なので低温調理機はRaspberry Piと1wireのセンサーと5V水ポンプでDIYした装置とスロークッカーを使います。調理時間は61度×2時間。ちと攻めすぎ?
詳細は下記記事を見てください。
調理後、冷蔵庫で2時間ほど冷やして出来上がりです。Raspberry Piで厳密温度管理して鶏ハム作ったら、ものすごく柔らかで美味いのが出来た! /usePocket.com 4 users 総予算3000円、Raspberry Pi利用2つのAC電源をWiFi経由でON/OFF出来る装置製作完成(その3) /usePocket.com別館
↓マイタケ無しの鶏ハムはいつも通り美味しく出来上がりました。6歳児も2歳児も大好き。
↓手前がマイタケ無し鶏ハム、奥がマイタケあり鶏ハム。マイタケありはキノコの色なのか全体的に黒っぽくなってます。
マイタケ入り鶏ハムを切ってみたところ、表面から5mmぐらいに着色された層が。。。。。なんか表面べちゃべちゃしてる。
↓なんじゃこりゃー、表面5mmがペーストになってました。食感最悪(汗)
内部も柔らかくなっているのですが、肉が「ボロボロ」になっている感じで内部の触感もよろしくありません。大失敗。
失敗の原因と考察
(1)タンパク質分解酵素は鶏のムネ肉の中になかなか入っていかないようだ。当然ですがタンパク質分解酵素は分子量の大きいタンパク質ですので、塩のように細胞を通過して浸透していくことは無いです。死んだ肉ですので細胞間のほころびを伝って少しは入って行っているようですが、基本的には肉表面に集中的に作用するようです。それが表面から5mmのみが溶けた理由かと。「牛肉が柔らかくなる」って事で話題になったマイタケですが、牛肉は鶏のムネ肉より薄く切っているはずだし、構造的に肉の内部までタンパク質分解酵素が入っていきやすい構造をしているのかも。そもそも今回はマイタケ入れ過ぎたか?
(2)マイタケのタンパク質分解酵素は高温に強いため低温調理機では失活せず、加熱期間を通じて作用しており、また調理完了後も肉を溶かし続けているのかもしれません。料理後もどんどん分解されると困るので、最初の方に紹介した研究報告中で紹介されている高温に弱いヒラタケとか使うと良いかも。
(3)そもそもハムは柔らかくない方が美味しいんじゃないか説。
う〜ん、天然食材に含まれる高温耐性タンパク分解酵素とかあると料理サイエンス面白いな。
Category:#食欲の神様&酒
コメント
いいっすね!=7
001 [01.23 17:57]。:分解酵素で表面が溶けてくのは興味深いwリンク先の豚肉は削ぎ切りにしてるのね。 ↑
002 [01.23 19:02]roc@OCN:柔らかくジューシーにするなら「ブライン液」(水に対して5%の塩と5%の砂糖を溶かしたもの)のほうが中まで浸透するのでは? ↑(1)
003 [01.23 22:32]ななしさそ★51:ちょっと意味合い違いますが、豚肉でハムを作る場合、ピックル液を中まで通したかったら注射使いますので。性懲りも無くやるのでしたら、肉をフォークで5?oくらい刺してやるとナンボか変わると思います。 ↑(1)
004 [01.25 01:01]はすし@超お久(解禁前)@YahooBB:鶏ハムなんぞ温度調整機能が付いた調理器具があれば[酵素系]なんぞ無しで楽勝で出来るし、というより寧ろその知識は邪魔なんだが。www 要は[タンパク質の種類による硬化温度]だけ考えれば良し。料理は科学だよ。w ↑(1)
005 [01.25 16:41]MONEYMONKEY@Biglobe:情弱、塩麹使うんだよ ↑(1)
→カテゴリー:#食欲の神様&酒(記事数:1274)
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